2011 Fiscal Year Annual Research Report
フェーズフィールド法によるミクロ組織の定量化と構造材料の新しい設計指針の提示
Project/Area Number |
09J08669
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
塚田 祐貴 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 助教
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Keywords | フェースフィールド法 / ニッケル基超合金 / 高温クリープ / 原子拡散 / 界面モビリティ / 拡散モビリティ / レニウム |
Research Abstract |
本研究は、フェースフィールド法により高温構造材料のミクロ組織形成をモデル化し、ミクロ組織制御に基づく材料設計基盤を構築することを目的とする。本年度は、前年度までに得られたニッケル基超合金における高温クリープ中のミクロ組織形成シミュレーション結果を基に、ミクロ組織変化と原子拡散現象の相関について検討した。まず、シミュレーション結果と実用合金CMSX-4の高温クリープ中のミクロ組織変化を比較することにより、母相(γ)と折出相(γ')の異相界面モビリティを算出した。次に、原子拡散係数データベースおよび平衡状態図の熱力学データベースを基に整備されている既存の拡散モビリティデータベースを利用し、CMSX-4合金の構成元素の拡散モビリティを算出した。以上の結果を用いて、シミュレーションにより得られたγ/γ'界面モビリティと構成元素の拡散モビリティの相関を検討した結果、実用合金におけるγ/γ'界面移動すなわちミクロ組織変化は、レニウム(Re)の拡散に律速されることが明らかとなった。レニウム(Re)はCMSX-4の構成元素の中で拡散モビリティが最も小さい元素である。これらの結果は、レニウム(Re)の添加が高温でのミクロ組織変化抑制の一役を担っていることを示唆している。以上の解析はすべて母相(γ)の拡散モビリティデータベースに基づいているが、今後、折出相(γ')について多元系データベースが整備されれば、フェーズフィールド法に基づくミクロ組織形成シミュレーションの精度がさらに向上することが期待される。
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Research Products
(8 results)