2009 Fiscal Year Annual Research Report
側根原基形成に際して細胞増殖域の限定化に働くRNA代謝系の解明
Project/Area Number |
09J08676
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 蔵嵩 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シロイヌナズナ / 温度感受性 / 形態形成 / 細胞増殖 / 側根 / 帯化 |
Research Abstract |
平成21年度は、制限温度下で帯化側根を形成する温度感受性変異性3種(rrd1、rrd2、rid4)について、組織特異的、またオーキシン関連の各種マーカー遺伝子を用いて帯化根の組織構造を詳しく解析し、側根原基形成時の細胞増殖域の拡大が中心柱の細胞列を選択的に増大させることを明らかにした。側根形成の初期の細胞数の違いが、その後発達してくる側根の形態やサイズに与える影響についてはほとんど知られてなかったが、これらの結果は細胞分裂制御と側根の形態形成との関係に新たな知見を与えると考えられる。 また、単独変異は許容温度ではあまり生育に影響を与えないが、他の変異をヘテロ接合で導入すると許容温度でも変異の影響が現れ、量依存的な効果か見られた。また、二重変異体の解析から、どの変異の組み合わせでも許容温度において胚性致死になることが示唆された。これらのことから、3つの遺伝子には強い遺伝的相互作用があり、胚発生や側根形成初期において協調して機能する可能性があることを窺わせる結果を得た。 そして、RRD1遺伝子、RRD2(候補)遺伝子、RID4遺伝子のそれぞれについて、レポーターコンストラクトの作成など、発現解析、機能解析の準備を進めた。さらに原基形成過程での細胞分裂の様子をライブで観察するために、新たな細胞周期マーカー遺伝子の開発も行った。これらはいずれも今後の解析の基礎となるものであり、遺伝子機能やその標的を探る上で重要であると言える。
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Research Products
(1 results)