2009 Fiscal Year Annual Research Report
細線状活性層を用いた極低消費電力集積型レーザ光源の実現と高速動作化
Project/Area Number |
09J08757
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
李 承勲 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 半導体レーザ / 分布反射型レーザ / 反射戻り光 / 光注入同期 / InP |
Research Abstract |
本研究は、昨年度まで行ってきた細線状活性層を用いる分布反射型レーザ(DRレーザ)の低電流・高効率動作化に関する研究をさらに推進し、動特性の観点から低消費電力光源として優れた特性を実現することを目的として行った。 半導体レーザの直接変調速度を次世代の高速光通信に対応できるように向上させる方法として光注入同期が知られるが、本研究課題の細線状活性層のDRレーザに光注入同期を行う場合、その低しきい値電流特性・活性層分離構造によって高い変調帯域を低電流で実現することが可能と考えられる。 これまで試作してきたGaInAsP/InP材料による1550nm波長帯で低電流動作する細線状活性層のDRレーザを用い、5mAの低いバイアス電流の条件で光注入同期を行った結果、単独の素子で動作した場合より約1桁高い3dB帯域15.5GHzが得られ、細線状活性層DRレーザの動的低消費電力動作を実証することに成功した。また、バイアス電流5mAにおいて10Gb/sの直接変調を行い、エラーフリー特性を確認した。 さらに、細線状活性層を用いた半導体レーザの優位性として反射戻り光耐性を検討し、実験的に検証した。評価に用いたしきい値電流1mAのDRレーザにおいて、戻り光誘起雑音が急激に増加する臨界戻り光量は-12.5dBとなり、従来の半導体レーザより10dB以上強い戻り光耐性を有していることが実験的明らかとなった。つぎに、光アイソレータを使用せずに25Gb/sの光ファイバ伝送実験を行った。臨界戻り光量以上の戻り光量-10.5dBにおいてエラーフリーで10km伝送が得られた。以上の結果より、細線状活性層を用いたDRレーザは光アイソレータフリーの費用効率の高いレーザモジュールへの応用可能性が高いことが実験的に示された。
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Research Products
(7 results)