2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08801
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
安達 洋泉 東京農工大学, 連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | レプチン / レプチン受容体 / 情報伝達 / 家禽 / 鳥類 / 転写因子 |
Research Abstract |
未発見のニワトリレプチンを同定し、その機能解析を行うため、これまでに定量的バイオアッセイ法の改良と定性的レプチン活性評価法の構築、およびレプチン産生器官の特定を試みてきた。これまでニワトリレプチン受容体とGFP融合型転写因子STAT3安定発現細胞株への低濃度レプチン(1ng/m1)の応答を確認するためには、さらに一過性でニワトリレプチン受容体の発現を行い、その上細胞を固定して観察する必要があったが、平成22年度においては蛍光顕微鏡の新調により細胞を生きたまま槻察できるようになり、GFP融合転写因子の核内移行観察によるスクリーニングがより簡便に行えるようになった。また、正常および倭性白色レグホーン血清のレプチン様活性が従来の評価法で確認できなかったことから、平成22年度はニワトリおよびハトを標的としてレプチン様活性を持つ器官の同定を行った。その結果、メスハト血清の血清を用いたアッセイによりレプチン様活性の検出に成功した。その一方で、肝臓をはじめとする成体組織ホモジネートを用いた実験では蛍光の散乱といった実験手法的な障害が生じ、組織抽出液の精製といった更なる改良が必要となった。一方、直近の研究により上記定性的レプチン活性評価法をニワトリ血清で評価したところ、活発な転写因子STAT3の核内移行が認められた。GFP融合型STAT3のみの安定発現細胞株では上記のような著しい転写因子の活性化は認められなかったことから、ニワトリ血清中におけるレプチン様物質の存在が示唆された。しかしながら、我々や他の研究者らはニワトリ血清によるレプチン様活性は血中レプチン濃度の低さ故検出できない可能性をこれまで報告しており、血清中の他のサイトカインによる情報伝達の可能性も否定できないため、現在はニワトリおよびハト血清中からの鳥類レプチン単離に向け慎重に実験を進めているところである。
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Research Products
(5 results)