2009 Fiscal Year Annual Research Report
高分解能局所スペクトロスコピーMRIを用いた固体高分子形燃料電池の劣化機構解明
Project/Area Number |
09J08846
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
沈 宰暎 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 電解質膜 / 高分解能MRI計測 / 水分輸送 / 薄膜 |
Research Abstract |
固体高分子形燃料電池(PEFC)は高効率,低温作動なとの特徴から自動車用や家庭用分散型用の電源としての利用が期待されている.その実用化へ向けては高温,低加湿,高電流密度でのPEFCの水分管理が極めて重要であり,PEFCC水分輸送現象の基礎的解明が必要不可欠である.そこで,本研究では,高分解能MRI計測を構築・開発し電解質膜内の水分分布計測を行い電解質膜内の水分輸送現象の解明を進めた. 以前までのMRI計測は膜空間分解能が低く現在使用されている薄い膜内の水分分布を計測ずるには困難であり薄い膜内の水分輸送現象は明らかになっていない.そこで,本研究では,薄い膜内の水分分布計測が可能な高分解能MRIシステムを構築・計測法を開発し薄い膜(例:厚約50μm)内の水分分布の計測し水分輸送現象を解明した. 本研究では厚50μmを使用し製作したMEAを用いて燃料電池運転条件下で高分解能MRI計測を行った.その結果,厚50μmの場合は発電をすることによって膜内の含水量が増大することが確認できた.また,電解質膜内の水分分布がフラットになっていることが確認できた.その理由としては,カソード側で生成した生成水が電解質膜内の効果的に輸送されて膜の含水化が進行したと考える.また,生成水の効果がアノード側の電気浸透の効果を超えて電解質膜内の水分分布がフラットになったと考える.このように高分解能MRI計測を行うことによって薄膜での水分輸送現象を解明することができた.
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Research Products
(3 results)