2010 Fiscal Year Annual Research Report
プリオンタンパク質の金属結合領域による活性酸素種生成メカニズムの解明と工学的利用
Project/Area Number |
09J08854
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
陽川 憲 公立大学法人 北九州市立大学, 国際環境工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | プリオン / 活性酸素 / 銅イオン / 化学発光 / CLA / スーパーオキシド / チロシン / レドックス |
Research Abstract |
ヒトプリオン由来のレドックス活性(ペルオキシダーゼ様反応、カタラーゼ様反応、アミンオキシダーゼ様反応、ラジカル中間体生成反応を触媒する活性)を有するペプチド(銅結合領域;Octarepeat領域、Neurotoxic領域およびTyrosine-rich領域)に加えて、アカザ科の植物由来のオゾン誘導性ペプチド(銅結合性チロシン含有繰り返し領域)において見出される特徴的配列について、同様の活性を有することが確認され、国際誌にて発表を行った。広く触媒能を有するタンパク質の探求を推進する。更にニワトリのプリオンタンパク質(銅結合チロシン含有繰り返し領域;ヘキサリピート)にも同様の活性が見いだされた。反応系としてペプチド、銅、過酸化水素の添加により活性酸素種のひとつであるスーパーオキシドの触媒的生成が化学発光法を用いて確認された。またこの触媒活性反応に関与する基質分子がフェノール構造を有する必要があることを明らかにしたことと、フェノール基を有するアミノ酸であるチロシンが上記のペプチド配列内に含有されていることで、生体内で自己触媒的に活性酸素生成反応が進行する可能性を突き止めた。これらの結果により、類似の配列構造を有する銅結合型ペプチドが細胞情報伝達においてレドックスシグナルに関与する考察が得られた。 このように広く生物界を見渡して動物と植物の間で共通した触媒活性についての分子生物科学的考察およびその物理化学的メカニズムについての知見が得られた。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] DNA-mediated sensitive detection and quantification of rare earth ions using polymerase chain reaction.2011
Author(s)
Yokawa, K., Kadono, T., Suzuki, Y., Suzuki, T., Uezu, K., Kawano, T.
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Journal Title
Sensors and Materials
Volume: (印刷中)
Peer Reviewed
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[Journal Article] Copper-binding peptide fragment-containing membrane as a biocatalyst by radiation-induced graft polymerization.2010
Author(s)
Okobira, T., Kadono, T., Kagenishi, T., Yokawa, K., Kawano, T., Uezu, K.
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Journal Title
Sensors and Materials
Volume: (印刷中)
Peer Reviewed
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