2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規シアノファージ溶菌酵素の機能解析とそのアオコ防除技術への応用へ向けた基礎研究
Project/Area Number |
09J08877
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
細田 直彦 Fukui Prefectural University, 生物資源学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アオコ / Microcvstis aeruginosa / シアノファージ / 溶菌酵素 |
Research Abstract |
アオコと呼ばれるラン藻類の大量発生の構成種として代表的なミクロキスティスは、ミクロシスチンという肝臓毒を産生する株が存在する。これまでに申請者らは、有毒ミクロキスティスに感染するシアノファージMa-LMM01の分離に成功し、全ゲノム配列を決定している。本研究では、シアノファージをアオコ防除のための有用遺伝子資源として捉え、Ma-LMM01ゲノム上の2つの溶菌関連遺伝子(ORF69、ORF95)の性状解析を行い、アオコ防除法の確立へ向けた基礎的知見の蓄積を行うことを目的とする。 本年度研究課題は、1、「ORF69の糖鎖結合残基の解析」ならびに、2、「ORF95の発現と性状解析」に設定した。その結果、以下の成果を得た。 (1)ORF69はアミノ酸配列からファミリー19キチナーゼ(GH19)と推定された。結晶構造が既知のGH19との比較にて、ORF69は推定糖鎖結合残基が異なっていた。そこで、本部位を変異させた変異型ORF69タンパク質を用い、生化学的性状を調べた。その結果、野生型と比べ変異型ORF69のリゾチーム活性はいずれも低下した。さらに、一部の変異型ORF69ではキチナーゼ活性が増加した。以上のことから、本残基が基質への結合能に関与するものと考えられた。 (2)ORF95と変異型ORF95の大量発現系の構築および細菌を基質とした活性測定法を構築した。完全長ORF95を導入した形質転換体よりタンパク質を調製しイムノブロットに供したところ、MBP抗体に反応する約85kDaの発現タンパク質が検出され、ORF95-MBP融合体の発現が確認された。得られた菌体粗抽出液を用いて、マイクロコッカスおよび大腸菌を基質とした比濁法にて溶菌活性を測定したところ、溶菌活性が認められた。 今後、ORF95を構成する各領域と宿主特異的との関わりを明らかにしていく予定である。
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Research Products
(3 results)