2010 Fiscal Year Annual Research Report
神経系の仕組みを考慮した訓練を要さないパワーアシスト装置・義手
Project/Area Number |
09J08906
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
川瀬 利弘 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | パワーアシスト / 筋電図 / 関節スティフネス / 平衡位置 / リハビリテーション |
Research Abstract |
本年度は筋電信号を用いたパワーアシスト装置に関じ,以下のように研究を進めた。1.前年度の成果を国際会議(4th International Symposium on Measurement, Analysis and Modelling of Human Functions)にて発表した。これは,手首の筋電信号から関節平衡位置と関節スティフネスをリアルタイムに推定し,関節スティフネスを仮想的に増やすよう装具を制御する新しいアシスト手法に関するものである。発表では,この方式を使うことにより,単純なトルク推定によるアシストよりも安定したタスク遂行ができることを示した。2.発表した方式で用いている,新しい平衡位置推定手法の特性を解析した。そして新手法が,推定値に現れるバイアスと振動を減少させていることを確認した。 この解析結果およびこれまでの成果をまとめ,投稿論文を執筆した。3.これまで使用していたタイプの超音波モータは,最大出力トルクが小さく,肘や肩のアシストには不十分であった。また粘性が大きい,摩耗により性能が劣化するなどの問題があった。これらの問題を解消するため,上腕全体をアシストできるアシスト装置のためのモータを検討し,ACサーボモータおよびコントローラを導入した。4.筋電信号や筋骨格モデルの特性を用い,平衡位置やスティフネスの推定精度を向上させるため,階層ベイズ推定,最適実験計画などの統計的手法の調査を行った。
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