2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J08932
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
堺 裕輔 The University of Kitakyushu, 国際環境工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ES細胞 / 胚様体 / 分化誘導 / 細胞チップ |
Research Abstract |
本研究では、ES細胞・iPS細胞胚様体(EB)の大量形成を実現する新しいEB形成チップ技術を開発するとともに、形成されたEBの微小培養環境を制御することによって効率的な分化制御手法を確立する。 当該年度は、ES細胞やiPS細胞に適合した培養基板形状、表面修飾分子の最適化を行い、均質なEBを大量形成できる独自のチップ技術を開発した。具体的には、円柱状のマイクロウェル(直径200~1000μmの範囲)を多数有するチップ基板を開発するとともに細胞非接着表面の形成(PEG修飾)することによって、均一な大きさのEBを大量形成できることを実証した。チップ上でのEBの基本的な性質(増殖や分化の方向性)を既存技術(ハンギングドロップ法及びU字プレート培養法)と比較すると、細胞増殖が制限されて分化の速度が遅いことが判った。また、初期導入細胞数やチップ上のEB数、EB間距離、EB粒径の違いがEBの分化特性(内胚葉、中胚葉、外胚葉への分化傾向)に影響を与えることが明らかになってきており、今後は更なる検討を予定している。 本チップ技術は、工学的発想から微小培養環境を厳密制御して分化を制御するシンプルなアプローチであるが、これまでにあまり報告例はない。本技術の確立によって、既存の技術では困難であったEBサイズの任意制御と簡便な大量形成・回収を実現しており、幹細胞培養及び分化誘導のための新しいプラットフォームとなり得ることが期待できる。
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Research Products
(4 results)