2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヒューマノイドロボット用の柔軟性・粘弾性を持つアクチュエータの開発と制御
Project/Area Number |
09J08937
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福正 博之 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ヒューマノイドロボット / モーションコントロール / 二関節同時駆動 / ラグランジュの運動方程式 / ダランベールの原理 |
Research Abstract |
本研究は、医者や理学療法士が研究してきた生体の特性を取り入れることで、ヒューマノイドロボットの四肢の運動制御を簡単化することを目指している。 生体の持つ筋肉と関節構造の特徴を生かした協調制御が重要であり、二関節筋と呼ばれる筋肉とそれを用いた四肢の二関節同時駆動機構に着目している。この二関節筋は、隣り合う二つの筋肉にまたがり両関節を同時に駆動するものであり、生体は一つの関節を駆動する一関節筋と協調して関節を駆動する。一方で、従来のロボットは各関節を独立に制御するため、常に関節角度情報を用いた複雑な計算で運動制御が行われている。 本研究は、二関節同時駆動機構を想定し、筋電図結果を基にしたアクチュエータの駆動制御からロボットの柔軟な運動制御の実現を目的としている。 柔軟性と粘弾性を持つロボットの実現のために、先端の力特性が各筋肉の出力調整により行われている筋電図測定結果を理論的に証明し、二関節を同時に駆動するトルクを考慮することで先端力の大きさと方向の微調整を容易に制御出来ることが分かった。そのためにリンク長や関節半径を等しくすることが重要であると言う知見を得た。 また、日常よく行われる歩行や物の持ち上げなどで行っている先端の曲げ伸ばし運動に着目し、先端の位置・速度特性に応じた各関節の回転トルクを理論計算した。 2リンクアームモデルを用いた計算により、肩関節の回転トルクは定数項と肘関節角加速度および重力項だけで構成されるために制御が比較的簡単であることが分かった。また、肘関節の回転トルクはリンク自身の回転なトルクと先端の軽負荷の運動に必要なトルクがほぼ同じ特性になる条件(先端速度など)が存在することを導いた。 これより、歩行などの比較的遅い場合の先端の曲げ伸ばしに必要な関節トルクが、筋電図結果を基にした先端力の方向制御と運動計画からの微調整により柔軟性を持った関節トルク制御の実現を検討した。
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Research Products
(4 results)