2009 Fiscal Year Annual Research Report
被差別部落における政策的展開と当事者運動の錯綜に関する歴史社会学的研究
Project/Area Number |
09J08940
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
矢野 亮 Ritsumeikan University, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 同和政策 / 歴史社会学 / 福祉社会学 / 地域福祉 / マイノリティ / 都市社会学 / コミュニティ / 地域社会学 |
Research Abstract |
平成21年度は、研究計画に沿って次の各時代区分に応じた詳細な資料収集と整理、分析を行ってきた。 (1)1945年~1960年;大阪における融和運動とその事業展開の実際の状況について、とりわけ戦前・戦時に関する第一次資料(約700点)の収集と整理に終始した。その成果の一部として(1)拙稿,「被差別部落高齢者の生活変化に関する調査・研究--大阪市内住吉地区を事例に--」,『大阪ガスグループ福祉財団研究報告書vol.22』,2009年7月)、(2)拙著,「被差別部落における/をめぐる政策的展開と当事者運動に関する生活史研究」,セルフ社,2010年12月[予定]がある。(2)1960年~1970年;当時の資源配分に大きく関連する隣保事業について全国隣保館協議会の諸資料を調査し当時の実情の把握を行った。これは平成22年度前半に「生存学」創生拠点HPに掲載の上、所属学会等で報告予定である。(3)1970年~1980年;特にここでは同和対策の資源配分が問題となる。これら同和対策をめぐる諸資料(約1800点)もすでに収集し分析を開始している。この成果の一部として(3)拙稿,「同和政策の歴史社会学--1970年代・1980年代を中心に--(仮題)」,天田・堀田・村上・山本編『差異の繋争点(仮題)』,出版社未定,2011年6月[予定]がある。(4)1980年~2000年;上記の時期の資料に加え、他の運動との関係性についても詳細な調査を行ってきた。その経過の一部として、「マイノリティ関連文献・資料/関連年表」を上記HPに掲載している。収集してきた文献・資料(約1800点)について言説分析を行い所属学会誌に投稿予定である。(5)2000年~現在;(4)拙稿,「被差別部落における同和対策終焉以降の高齢者の生活変化--大阪市内住吉地区における高齢者への聞き取りから」,『解放社会学研究』,日本解放社会学会第21号,2010年3月)によって明らかとなった事象をふまえた上で、その歴史的帰結について(5)拙稿,「大阪の同和政策における老いの位置--その政策的帰結(仮題)」,天田城介編『老いの政策と歴史(仮題)』,出版社未定,2011年[予定])にて分析結果を公表予定である。
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