2010 Fiscal Year Annual Research Report
公共プロジェクトとしての遠隔医療の評価手法に関する研究
Project/Area Number |
09J08945
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
明松 祐司 兵庫県立大学, 応用情報科学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | 医療経済学 / 公共政策 / 医療情報学 |
Research Abstract |
本研究は,公共プロジェクトとして導入されているわが国の遠隔医療について,その評価を学術的な観点から実施し,その評価手法を確立することを目的としている。具体的な研究内容として,公共事業や社会実験の評価において進んでいる米国や英国の手法を学びながら,実際に実施されている遠隔医療について評価を行い,わが国の実情に合わせた評価手法を確立することが目的である。 研究初年度の昨年度は,米国における文献の収集・サーベイ,社会調査の手法,分析の手法の検討,これらを実施した。調査手法のサーベイについては,遠隔医療の介入群,非介入群との効果の比較で重要となるサンプルセレクションの問題あるいはTreatment effect modelといった先端的な理論の動向,および実証分析への応用について知見を得ることができた。研究二年目で最終年度の本年は,これまでのサーベイや調査から得られた手法を統括し,実証分析へ応用した。具体的には以下の2点を実施した。 i)在宅健康管理システムの実証的評価 自治体が運営する在宅健康管理システムの成功例と言われる,福島県西会津町のeHealthシステムについて,医療費や診療日数といったいくつかの指標から,Treatment effect model,動学パネルデータモデルのSystem GMM等の推計方法を用いて実証的にその効果を分析した。 ii)分析結果の政策的応用 我が国の遠隔医療の制度的な整備はほとんど整っておらず,更に医療という分野の性質上,関係省庁はこれらの整備に対して慎重にならざるを得ない。一つの方策としては遠隔医療のエビデンスを広く提供していく事であり,本研究の結果を関連する学会や厚労省等の関連省庁に積極的にアウトプットした。
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Research Products
(7 results)