2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J09002
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
諸井 努 電気通信大学, 電気通信学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 押出し / 接合 |
Research Abstract |
穴のあいたリブを有する管は、構造材として用いた場合の部材の軽量化や熱交換器として用いた場合の熱交換性能向上による装置のコンパクト化への応用が可能と考えられる。本研究の実用化には管の薄肉化が不可欠であるが、薄肉管においても加工条件の一つである「ガイド位置」を適正化することで厚肉管と同様に、接合強度の向上が確認できた。材料にアルミニウムを用いた実験結果より得られた成果を以下に示す。 管肉厚によらず共通している定性的な傾向は以下の通りである. 1.ガイド位置が高くなるほど接合強度は向上するが、リブが座屈する原因や、リブの供給を妨げる場合がある。 2.ガイド位置が低いと接合強度は低下、または全く接合しない。 これらの現象の現れ方は管肉厚によって変化する。 3.管肉厚が大きくなると、リブと管の間の隙間が増え、接合強度が低下する。 4.管肉厚が小さくなると押出し比が増加して接合強度が上昇する。 管肉厚が小さくなる場合とガイド位置が大きくなる場合では、接合強度に対して等しい効果を持つ。設定管肉厚に適したガイド位置は、管肉厚が小さいときはガイド位置を小さく、管肉厚が大きいときはガイド位置を大きくする。また、ダイス出口付近ほどメタルフローの変化が大きいため、ガイド位置がダイスから遠くなる管肉厚が大きい条件では、ガイド位置の適応範囲が広い。 また、これらの現象を引き起こす原因を調査するため、押出し中のビレット内における静水圧応力に着目し、数値解析によるシミュレーションを行い、以下の結果を得た。 1.材料流動は圧縮応力側から引張応力側に生じる。 2.ガイド位置を増加させると応力勾配の向きが半径方向内向きになり、マンドレル中心寄りの材料流動に変化する。 3.管肉厚を減少させると押出し比の増加、応力勾配の変化を原因にマンドレル中心寄りの材料流動に変化する。
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Research Products
(4 results)