2009 Fiscal Year Annual Research Report
故障航空機のリアルタイムシステム同定手法の構築、および小型無人航空機による評価
Project/Area Number |
09J09072
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成岡 優 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | システム同定 / 安定微係数 / ウェーブレット変換 / 故障航空機 / 無人航空機 |
Research Abstract |
本研究の目的は、故障が発生した航空機を安全に着陸させる制御系構築する際に必要となる、安定微係数と呼ばれる複数のパラメータ等によって形成される故障航空機の運動の数学モデルを、故障発生時に速やかに推定するリアルタイムシステム同定手法を提案することにある。加えて本研究によって提案された手法が実際の航空機へ搭載し実用化が可能であることを検証することも重要な目的とし、計算機によるシミュレーションのみならず、小型無人航空機(小型UAV)を飛行中に破損させ、その数学モデルを推定する実験によって検証されることも本研究の目的としている。故障については打面の固着といった軽微なものから、主翼の破損といった重篤なものまでを想定した。採用1年度目である平成21年度の計画としてはシミュレーションで研究を進めるとともに、小型UAV実験による故障航空機の飛行履歴の取得を行った。 特に小型UAVを用いた実験では、小型UAVの飛行が風によって乱されやすいために、システム同定によって数学モデルを取得することが大型の航空機に比べて遥かに困難であることが確認された。このことは小型UAVにおけるシステム同定が、大型の航空機で故障が重篤な場合と同程度、あるいはそれ以上のロバストかつ即時的な推定を行えるアルゴリズムを要求するということを意味し、本研究を十分に有意たらしめるものである。このような小型UAV実験、およびシミュレーションを並行して進めることで、新たなシステム同定手法を構築するにいたった。新たな手法ではウェーブレット変換による多重解像度解析、そして最小二乗法を組み合わせることによって、目的の性能を得られている。
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Research Products
(3 results)