2009 Fiscal Year Annual Research Report
胎児外科手術のためのレーザ一体型硬性内視鏡とレーザ手術システムの開発
Project/Area Number |
09J09099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山中 紀明 The University of Tokyo, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 内視鏡 / 胎児外科 / レーザ治療 / 双胎間輸血症候群 / レーザスキャン |
Research Abstract |
胎児外科手術において,観察と治療を一本の内視鏡により実現するレーザ内視鏡の開発を行った. 1.硬性内視鏡の開発 観察と近赤外レーザ光の伝達を同軸で行うため,可視光と近赤外光に対して高い透過率を得られる反射防止膜を選定した.また,レーザの照射スポットを小さくしパワー密度を高くできるように,内視鏡の光学設計を行い,試作内視鏡として,視野角70度,外径7mm,有効長150mmの内視鏡を開発した. 2.レーザ光制御ユニットの開発 2軸のガルバノスキャナを用い,レーザ光の射出角度を高精度に制御可能とした. そして,内視鏡先端から照射されるレーザ光の射出角度の可動域を最大限大きくできるよう光学設計を行った.そして,制御ユニットを小型・軽量を実現するために,光学部品の固定部も設計・製作し,500g未満と容易に操作できるものとした. 3.レーザ内視鏡システム 内視鏡のカメラ座標系とガルバノスキャナのミラー座標系を統合するために,それぞれの座標系に対し数式モデルを立て,キャリブレーションを行った.これにより,内視鏡画像上で目標点をクリックするだけで,自動的にレーザ光を目標点へと誘導でき,容易に使用できるシステムとなった. 4.評価実験 内視鏡のレーザパワー伝達効率として,理論値に近い伝達効率を得られたが,内視鏡先端における最大レーザパワーは16Wであった.現状の治療の20~30Wに対してややレーザパワーが不足しているため,今後内視鏡の細径化に加え高出力化を行う.また,レーザビーム径は照射距離10~20mmにおいて直径2.2~3.2mmであり,レーザ照射点の位置決め誤差はほぼ1mm以下であった.対象とする疾患の双胎間輸血症候群において,照射する血管径は約1mmであり,十分な位置決め精度だと考えられる.また,In vitro実験として水中で鶏肝臓へのレーザ照射を行い凝固が可能であった.
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Research Products
(5 results)