2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J09101
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
佐々木 崇 順天堂大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員PD
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Keywords | コアグラーゼ陽性ブドウ球菌(CPS) / Staphylococcus aureus / 宿主特異性 / ネコ / MLST / メチシリン耐性 / 哺乳類 / 共進化 |
Research Abstract |
コアグラーゼ陽性ブドウ球菌(CPS)7菌種は鑑別が難しく、しばしばS. aureus以外のCPSはS. aureusと誤同定されてしまう。そのため、動物におけるCPSの生態の本質は不明のままであった。本研究では、。 今年度の研究計画である動物由来Staphylococcus aureusクローンの宿主特異性について解析するため、様々な動物からブドウ球菌を分離している。ヒト、コモンマーモセット、スローロリス、ウサギ、チンチラ、モルモット、デグー、ジャンガリアンハムスター、ウシ、ブタ、ウマ、イヌ、タヌキ、キツネ、フェレット、ネコ、ハリネズミ、スンクスなどから分離したS. aureus株に対し、Multilocus sequence typing(MLST)を行たった。そのなかでも特に公衆衛生上人間との関わりの深いイヌおよびネコにおけるS. aureusクロニーンのpopulation genetic structureの解析を行い、多様度、病原性因子保有率およびメチシリン耐性遺伝子保有率を評価した。その結果、イヌはS. aureusおよびMRSAのどのクローンも常在しないことが示唆され、ネコの保菌するS. aureusクローンはヒトとは異なることが示唆された。ネコの感染症起因菌としてのMRSA分離株では、人間でみられるST5(日本国内院内型MRSA)とST8(市中感染型MRSA)の2タイプが全てを占めた。それゆえ、ネコ由来MRSAは人間からの感染であることが示唆された。本結果は現在論文作成中である。 また、ブドウ球菌属の様々な動物宿主における生態調査を進める過程で、CPSと哺乳類の共進化関係が示唆されたため、「ブドウ球菌と哺乳類の共進化」というテーマで平成23年度学術振興会特別研究員PDに申請し採択されたため、今後も継続して研究を行っていく。
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Research Products
(4 results)