2009 Fiscal Year Annual Research Report
ウシ子宮内膜における血管内皮増殖因子の生理的役割ならびにその制御機構の解明
Project/Area Number |
09J09102
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田崎 ゆかり Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 血管内皮増殖因子 / 発情周期 / 子宮内膜 / 黄体退行 / 局所調節因子 / 生殖生理学 / ウシ |
Research Abstract |
【研究の目的】排卵後の卵巣に形成される黄体は、妊娠ホルモンを分泌する一時的な内分泌器官であり、ウシにおいて、妊娠が成立しなかった場合、発情が回帰するためには黄体が退行する必要がある。黄体退行因子であるプロスタグランジン(PG)F2αは子宮で産生されることから、申請者の所属する研究室では発情周期調節メカニズムの解明を目的として、子宮の機能調節機構に関する研究をおこなっている。血管内皮増殖因子(VEGF)は血管透過性の促進や血管内皮細胞の増殖を促進する血管新生因子として知られてきたが、最近、VEGFが卵管のPG産生にも関与するなど、血管新生以外にも様々な生理作用を有することが明らかとなってきた。本研究ではウシ子宮においてVEGFが生理的役割を担う可能性について検討している。 【研究成果】以下に記す研究成果が生殖生理学の専門雑誌であるJournal of Reproduction and Developmentに掲載された。ウシ子宮内膜においてVEGFおよびそのレセプターが発情周期を通じて発現しており、また、VEGFはウシ子宮内膜間質細胞においてPGF2α産生を有意に促進した。一方で、間質細胞におけるPGE2産生ならびに子宮内膜上皮細胞におけるPGF2αおよびPGE2産生には影響をおよぼさなかった。以上より、VEGFがウシ子宮内膜における局所調節因子として発情周期調節に作用している可能性が示された。 現在は、子宮内膜上皮および間質細胞の増殖に及ぼすVEGFの影響についての検討をおこなっている。
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Research Products
(4 results)