2009 Fiscal Year Annual Research Report
球状デトネーションの三次元数値解析による詳細伝播構造の解明
Project/Area Number |
09J09133
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
朝原 誠 Aoyama Gakuin University, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 球状デトネーション / 円筒デトネーション / 衝撃波三重点 / 詳細反応モデル / セル分岐 / セル模様 / AUSMDVスキーム / 起爆エネルギー |
Research Abstract |
衝撃波のような不連続面を数値的に解くことは難しく,超音速流れの数値解析方法はひとつの研究分野として確立されており,日々,その手法は進化している.研究対象であるデトネーションは音速の4~10倍の速度で伝播する爆発現象であり,波面において火炎が衝撃波を伴って進行する.そのため,デトネーションの数値解析では超音速流れの数値解析手法を用いることが多く,私たちの研究グループでは衝撃波における数値粘性を強くすることで解を安定させるTVDスキームを用いてきた.しかし,計算手法の研究の進展により,TVDスキームよりも解像度の良いAUSMDVスキームを用いることが相応しいと考えられる.そこで従来のコードをAUSMDVスキームに書き換え,新コードの検証を行った。その結果、AUSMDVスキームを用いたことで計算精度が向上したうえに,計算時間が80%程度と短縮することができた.この研究成果は第46回燃焼シンポジウムで発表し,国際学会誌Archivum Combustionisにも投稿し5月中の発行が決定している. 球状デトネーションのように膨張するデトネーションでは,衝撃波三重点の軌跡として現れるセル模様が分裂し,膨張する単位面積当たりに存在するセル数が一定となることが実験より確認されている.しかし,その分裂メカニズは解明されておらず,実験による解明が困難であることから,数値解析による現象解明が期待されていた.私は化学反応を詳細に扱った反応モデルを用いることで,詳細な現象の解明を可能とした.この研究成果は火薬学会2009年度秋季研究発表会で口頭発表を行い,1つの国際学会誌Combustion, Science and Technologyに投稿し,掲載が決定している.さらに研究を進めることで,デトネーション波面において新たに誕生した衝撃波三重点が,横波を通過することにより強められて急成長し,セルを分裂する軌跡を描くことがわかった.この研究成果は平成21年度衝撃波シンポジウムで発表し,先進的な研究であるとコメントを頂いた.
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Research Products
(6 results)