2010 Fiscal Year Annual Research Report
カメラ画像を用いた混雑環境下における人物追跡技術の開発
Project/Area Number |
09J09164
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉村 大輔 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 人物追跡 / 動線の対応付け / 歩容特徴 / 混雑環境 |
Research Abstract |
混雑解消,事故の未然防止などのために,朝のラッシュ時の駅構内などの混雑環境下における人物の行動計測技術の確立に期待が高まっている.このような社会背景のもと,本研究ではカメラ画像を用いた混雑環境下における人物追跡技術の研究開発について取り組む. 前年度は,特徴点軌跡のクラスタリングに基づき,歩容特徴と局所的な見えの時間変動の一貫性という二つの指標を組み入れた人物追跡手法の開発を行った.しかしながら,頻繁に発生する遮蔽に伴い,人物の動線は複数の動線片に分断される.観測視野内において一貫した人物追跡を実現するためには,分断化された動線片を対応付ける枠組みが必要となる. そこで本年度は,人物固有の性質である歩容特徴を用いた人物動線の対応付け手法を実現した.歩容特徴は,歩幅や歩行周期により特徴付けられる人物固有の性質であり,個人認証において利用されている指標である. 本手法では,歩容特徴は移動する人物に属する特徴点の周期的な動きから獲得する.各特徴点軌跡から計算される歩容特徴集合について,データ集合間の類似度を測る一手法であるpyramid match kernelアルゴリズムを用いることにより,対応付けるべき動線片間の類似度を計算する.このようにして計算される動線片間類似度を用い,最尤推定に基づき最適な対応付けを実現することができる. 多くの既存研究は,人物の見えや動きといった単純な指標に基づくものが多く,人物が近接する混雑環境では誤った動線の対応付けを行ってしまうことが懸念される.これに対し本研究では,人物固有の性質を利用するため,適切な動線の対応付けを行うことが可能となる. 本研究で提案した動線対応付け手法を既存の人物追跡手法に組み入れることにより,一貫した人物追跡を実現することが期待される.
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Research Products
(3 results)