2010 Fiscal Year Annual Research Report
液晶ディスプレイと偏光を用いた透明なインタフェースの研究
Project/Area Number |
09J09183
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 俊樹 東京大学, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | テーブルトップ / 光弾性 / マルチタッチ / タンジブルユーザインタフェース / オーガニックユーザインタフェース / LCD / オーバーヘッドカメラ / 偏光 |
Research Abstract |
本研究の目的は、LCDを利用したテーブル型システムにおいて、テーブル上に配置した場合でも人の目には視覚的に透明で邪魔にならない「透明なインタフェース」の実現である。 本年度は、前年度から開発を行っているLCD上で偏光と光弾性を利用し、透明な弾性体に対する変形を検出可能なシステムを利用し、様々なアプリケーションの開発を行った。まず、シート状の透明弾性体を用い、LCD上で接触時に触覚フィードバックのある感圧式のタッチスクリーンを構築した。また、LCDの映像上に顔や人体の形状を形取った透明な弾性体を重ねて置くことで、映像の立体感を高め、かつそれらに対して触れたり、引っ張ったりすることが可能な立体的なタッチスクリーンシステムを構築した。このような立体的な接触面や触覚フィードバックの実現は従来のタッチスクリーンでは困難であったが、本システムでは安価な透明弾性体を利用することで容易に実現可能である。また、小型の透明弾性体を手に持ち、LCD上で移動させたり押し潰したりすることで入力が可能な弾性体タンジブルインタフェースを開発し、ペイントシステムや地図閲覧システムへの応用を行った。このシステムは、従来の固定的なタンジブルオブジェクトと比べ、潰す、引っ張るといったより有機的な入力が可能であり、またテーブル上方の空間を利用した入力も容易に実現可能である。 次にこれまでのシステムでは、テーブル上部にカメラを設置して弾性体の検出を行っていたが、テーブル内部にカメラを組み込み、テープルのみで検出が可能なシステムを実現する実験を行った。実験では、テーブル内部にLCDに代わる偏光光源を設置し、光源から発した偏光をテーブル上の弾性体表面で反射させ、テーブル下部の高感度デジタルカメラで検出するものである。実験の結果、テーブル内部からの光弾性の検出が可能であり、本システムをテーブル上部のカメラを必要としないシステムに拡張することができることがわかった。 さらにこれらのシステムについて、国内外の学会で発表を行った。
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Research Products
(3 results)