2011 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュの逃避行動制御の獲得に関する生理学的・分子生物学的研究
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09J09220
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
渡邉 貴樹 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | カリウムチャネル / 興奮性 / ゼブラフィッシュ / マウスナー細胞 |
Research Abstract |
脳のニューロンはそれぞれの働きに応じて、特色のある興奮性を示す。同じように生まれたニューロンがどのように異なる興奮性を獲得して運動制御に関わるかを分子レベルで調べることが本研究の目的である。ゼブラフィッシュの後脳に存在する網様体脊髄路(RS)ニューロン群の一つであるマウスナー(M)細胞とMiD2/3cm細胞は、発生過程の同じ時期に後脳の隣接する分節に1対ずつ生まれ、共通の形態学的特徴をもつが、異なる発火特性を示す。MiD2/3cmは脱分極の大きさに従った発火頻度で連続発火するが、M細胞だけは単発の活動電位しか発生しない。興味深いことに、このM細胞の特異的な発火特性は、発達とともに獲得される。この特異的な発火特性を決定する分子基盤を明らかにするために、電気生理学的・分子生物学的に解析した結果、単発発火特性には低閾値型電位依存性カリウムチャネルであるKv1、Kv7が必要であり、発達に伴いそれぞれの寄与が増加することが明らかになった。Kv1、Kv7のα及びβサブユニットの発現解析により、Kv7αはKv7.4が発生初期からM細胞に発現していたが、相同ニューロンでは発現していなかった。ところが、Kv1αに関しては、Kv1.1が予想外に発生初期からM細胞だけでなく相同ニューロンでも発現することを見出した。一方、Kvβ2は発生初期のM細胞や相同ニューロンには発現しないのに対し、単発発火を示すM細胞で発現していた。アフリカツメガエル卵母細胞を用いた再構成系によって、Kv1.1とKv7.4は異なるキネティクスを持つことが明らかになり、KvβはKv1.1による電流量を増加させる機能があることを示した。以上の結果は、M細胞の単発発火特性の獲得にKv1.1αとKvβ2の組み合わせとKv7.4αの発現が重要であることを強く示唆し、ニューロンの興奮性を決定付ける要因として新しい概念を提示する
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Research Products
(5 results)