2009 Fiscal Year Annual Research Report
露出型柱脚の性能に着目した鋼構造ブレース付骨組の耐震性能評価
Project/Area Number |
09J09267
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
浅田 勇人 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 鉄骨構造 / ブレース構造 / 露出型柱脚 / 鉄筋コンクリート基礎 / せん断抵抗 / 側方破壊 |
Research Abstract |
本研究課題はブレース付露出型柱脚(以下,ブレース付柱脚)の基本的力学特性を明らかにするものである.本研究ではラーメン構造の柱脚に比べてブレース付柱脚が大きなせん断力・引張力が作用することに着目して,柱脚部の耐力と剛性について検討する. 研究初年度である本年度は,まず代表的なブレース構造である鉄骨造体育館について耐震診断判定資料に基づいた調査と地震被害のデータベースを作成しブレース付柱脚の問題点について分析した.その結果,アンカーボルトを定着する鉄筋コンクリート基礎側のせん断抵抗能力が不十分である場合が多く,ブレース軸力に伴う引張力・せん断力によって側方破壊に至る可能性があることを指摘した.そこでブレース付柱脚の側方破壊耐力の評価を行うために,アンカーボルト単体の要素実験と既往の実験結果のデータベース分析を行い,既往の耐力評価式の適用性を明らかにするともに,アンカーボルト周辺の鉄筋による耐力への寄与効果を把握した.この基礎資料に基づき,今後,コンクリート側の破壊によって支配される柱脚部の耐力評価を行う予定である. その他として,先に述べた鉄骨造体育館の耐震判定資料に基づく調査ではガセットプレートとH形柱の溶接部のディテールと周辺状況についても分析し,抽出した溶接部の破断耐力へ影響を及ぼすと考えられる接合ディテールを反映させた引張載荷実験を実施した.その実験結果と既往の有効溶接長と溶接の耐力の考えに基づいた耐力評価式を比較・検討し,その適用性を検証した.さらに,柱側のみにしか溶接されず大きな偏心曲げを受ける場合の耐力評価式を提案し,実験結果を適切に評価できることを確認した.
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Research Products
(3 results)