2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J09383
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 信 Tokyo Institute of Technology, 大学院・情報理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フィーライセンスポリシー / ロイヤルティライセンスポリシー / 協力ゲーム理論 / NTUゲーム / コア / 交渉集合 |
Research Abstract |
特許権のライセンス契約は、先行研究の多くで非協力ゲーム理論の枠組みによりモデル化及び、分析されているため、現実に多く観察されるライセンス料の「交渉」という側面が考慮されていない。それに対して、協力ゲーム理諭の枠組みでライセンス料交渉という側面を明確にモデル化することにより、より現実的なライセンス契約を分析することが、私の研究テーマである。本年度、特許権のライセンス契約において、「ライセンス料交渉における最適なライセンシー数」に解答を与えることを目的として、協力ゲーム理論の解概念であるカーネルを用いて分析する予定であったが、先行研究では明示的にモデル化されていなかった「ライセンス料支払い方法(以下、ライセンスポリシー)」を考慮したライセンス料交渉を分析し、交渉の結果を特徴づけることが重要と考え、「フィーとロイヤルティ、それぞれのライセンスポリシー下におけるライセンス料交渉のNTUゲームによる分析」を行った。これまでの研究では、ライセンス料の交渉をTUゲームとして定式化していたため、フィーやロイヤルティなどのライセンスポリシーをモデルの中で区別して扱えなかった。そこで、私が本年度に行った研究では、それらのライセンスポリシーを考慮したライセンス料交渉をNTUゲームとしてモデル化することにより、ライセンスポリシーを明確にモデルの中に記述した。協力ゲーム理論の解概念であるコアや交渉集合を用いて分析した結果、交渉の結果としてフィーポリシー下ではライセンス料が一意に決まり、ロイヤルティポリシー下ではそれは一意に決まらないが、合意しうる金額の範囲を導出することができた。さらに両ポリシー下においてもライセンスされる企業の数は一意に決まることが証明された。
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Research Products
(4 results)