2009 Fiscal Year Annual Research Report
炭素-水素結合切断を鍵とする触媒的二酸化炭素固定化反応
Project/Area Number |
09J09394
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
只見 聡 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 二酸化炭素固定化 / 触媒反応 / カルボキシル化 / ホウ酸エステル / 連続反応 / C-H官能基化 |
Research Abstract |
筆者はこれまでに銅(I)触媒を用いることにより、二酸化炭素雰囲気下アリールボロン酸のネオペンチルグリコールエステルのカルボキシル化反応が進行することを見出している。この反応に基づき、炭素水素結合切断を契機とする二酸化炭素固定化反応が実現できれば、従来の多段階分子変換の簡略化を可能にする原子効率の高い、真に有用な二酸化炭素固定化反応となりうる。本年度はこの目的達成のための第一段階として、イリジウム触媒による炭素水素結合ホウ素化反応と上記反応をワンポットで連続的に行うことを試みた。 イリジウム触媒による炭素水素結合ホウ素化反応では、従来のカルボキシル化に用いていた反応性の高いネオペンチルグリコールエステルではなく、反応性の低いピナコールエステルへの変換しかできないことが知られている。そこでアリールボロン酸のピナコールエステルを用いてカルボキシル化反応の条件検討を行ったところ、塩基としてt-BuOKを用いることでピナコールエステルでも良好な収率で反応が進行することを見出した。さらにt-BuOKと二酸化炭素を反応させることで容易に調製可能なt-BuOCOOKも高い活性を示し、この場合は二酸化炭素雰囲気下でなくても自身が放出する二酸化炭素と効率よく反応し、カルボキシル化が進行する。 この結果を元に目的の連続反応の達成を試みた。ホウ素化反応における反応剤の添加量の検討や溶媒の高沸点化などの工夫により、カルボキシル化反応への影響を低減化することに成功し、種々の基質で対応するカルボン酸を良好な収率で得ることに成功した。
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Research Products
(1 results)