2010 Fiscal Year Annual Research Report
マルチコア向けリアルタイムオペレーティングシステムの研究開発
Project/Area Number |
09J09499
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 真平 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | リアルタイムシステム / サイバーフィジカルシステム / グラフィックスプロセッサ / オペレーティングシステム / スケジューリング / 品質管理 |
Research Abstract |
生活や環境問題に対してコンピュータ技術は不可欠な要素である。とりわけ、社会基盤の安全性や消費電力の改善は最重要課題であり、コンピュータ技術を駆使して物理世界を適切な状態に保つことが求められる。しかしながら、物理世界の情報量は膨大であり、それらをリアルタイムに処理することは容易ではない。また、社会基盤を構成するアプリケーションは電力網、自動車、監視システム、ヘルスケア等、多種多様であり、それらに共通して利用可能なコンピュータシステムの研究開発も求められている。 本研究では、膨大なデータ量を高速に計算可能なグラフィックスプロセッサ(GPU)に着目し、GPUをリアルタイムシステムにおいて利用可能にするためのソフトウェアの研究開発を行った。具体的には、オペレーティングシステム内でGPUに投じるコマンドのスケジューリング管理を行うソフトウェア「TimeGraph」を設計・実装した。TimeGraphを使うことでGPUの資源管理を細粒度に行うことが可能になり、複数のプロセスが同一のGPUにアクセスする場合にも要求に応じた資源のみを割り当てることができるので、アプリケーションは一定の品質を保つことが保証される。GPUをリアルタイムシステムにおいて安全に利用できることの利益は大きく、今後、様々な分野での応用が期待される。また、本研究は、前年度に行ったマルチコア向けリアルタイムシステム技術の応用であり、リアルタイムシステムにおいてマルチコア技術をGPUに応用できた世界で初めての事例でもある。TimeGraphはオープンソースとして公開しており、Linuxプラットフォーム上であれば誰でも利用できる。
|
Research Products
(7 results)