2009 Fiscal Year Annual Research Report
居住市街地における風環境評価および建物内外の換気性能に関する研究
Project/Area Number |
09J09505
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
卜 震 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 自然換気 / ドライエリア / 地下室 / 市街地 / 数値解析 / 風洞実験 / 風環境 / 局所排出換気回数 |
Research Abstract |
今年度では、居住市街地における風環境を総合的に評価するため、主に弱風時の新たな風環境評価法を提案・応用した。具体的には、まず単純な市街地空堀モデルを用い、建物に囲まれた道路・広場などのボイド空間における局所排出換気回数(風による換気効果の評価尺度)と平均運動エネルギー(風による通風効果の評価尺度)による風通しの評価指標を定義し、これらの評価尺度に関する超過確率に基づく風環境評価法を構築した。今回は平均的風向・風速の測定データに基づく統計データを用い、ワイブル分布を仮定した超過確率を求めた。それでは、2つの評価尺度の水準と市街地形態の関係を検討し、空堀モデルの方位、形状及び都市が通風換気能力に及ぼす影響を明らかにした。また、密集市街地モデルを設定して、密集度の異なる市街地モデルの通風換気能力を評価し、超過確率15%、85%に対応する具体的な換気回数値によって比較・評価する1つの評価方法を示した。続いて、屋内外の通風換気現象を着目し、提案した風環境評価法を使用して建物居住空間の換気ポテンシャルの分析を行った。ここで、評価空間にける指標値を求めるには、風洞実験及びCFD解析の両方を行うことにより、16流入風向に対する室内評価空間とそれに隣接する屋外空間おける換気回数と平均運動エネルギーを検討・比較した。今回の風洞実験により、流入風向、建物階数、開口部の設置(面積および個数)、建蔽率などの換気要因を取り上げ、それぞれの要因と有効換気量との関係を把握した。また、LESを用いて流入風向別の開口部を通した通風換気のメカニズム及び詳細な空気流出入特性を明らかにした。
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