2009 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界圧推進剤の混合過程の解明及び噴射器形状による混合促進効果に関する研究
Project/Area Number |
09J09534
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷 洋海 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 超臨界圧 / 極低温推進剤 / 同軸噴流 / 乱流混合 / 混合促進 / 液体ロケットエンジン / 同軸型噴射器 / Large Eddy Simulation |
Research Abstract |
高推力液酸液水ロケットエンジンの燃焼器は燃焼圧が推進剤の熱力学的臨界圧を超えて作動する。本研究では、そのような超臨界圧燃焼器へ噴射される推進剤の混合過程と噴射器出口形状の効果を数値シミュレーションにより解明し、噴射実験により数値シミュレーション結果の妥当性を確認する。 本年度の数値シミュレーションについては、実在流体の超臨界圧流体の乱流混合現象を解析するために、圧縮性LES (Large-Eddy Simulation)コードに実在流体の状態方程式と輸送係数計算式を導入した。加えて、圧縮性コードを用いて本研究のような低マッハ数噴流の非定常解析を行うため、前処理法とDual time stepping法を組み合わせた時間積分法を実装し、時間刻みの限度や必要な内部反復回数の検討を行った。続いて、そのLES解析コードを用いて超臨界圧下の乱流混合層を時間発展的に解析し、超臨界圧流体の乱流混合層の特徴を調べた。その結果、速度場や熱エネルギー場については気体混合層に近い分布を持つ一方で、気液混合層内の液滴飛沫に類似する高密度流体の貫入挙動を有することが明らかになった。 噴射実験については、超臨界圧雰囲気中に極低温窒素とヘリウムガスを同軸噴射する実験装置の仕様の検討から始め、高圧可視化チャンバと同軸型噴射器の設計製作を行った。続いて、超臨界圧噴射実験の準備段階として亜臨界圧条件にて液体窒素と窒素ガスの同軸噴射実験を行い、シャドウグラフ法による噴流の可視化と温度センサプローブによる温度分布測定を試みた。その結果、可視化画像から判断できる噴流コア領域と温度分布に現れるコア領域の長さが対応することを確認し、温度センサプローブによる噴流温度分布測定の信頼性を確認することができた。今年度により、数値シミュレーション結果と比較するための超臨界圧噴流の温度分布を測定する準備を整えることができた。
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Research Products
(3 results)