2010 Fiscal Year Annual Research Report
着衣の吸脱着とポンピングエフェクトを組み込んだ人間-環境系数値シミュレータの構築
Project/Area Number |
09J09544
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永野 秀明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 室内環境 / 呼吸空気質 / 風洞実験 / サーマルマネキン |
Research Abstract |
本研究は、行動性体温調節であるポンピングにより人体が受ける影響を検討することを目的とする。そのためにはまず、人体周辺微気象の把握が必要であり、人体直近から発生する汚染質の拡散性状やその周辺風速による影響を検討する必要がある。 着衣を意図的に揺り動かすホンヒングや、人体動作に伴い不可避的に発生する着衣内空気の流出入に際しては、着衣からの汚染質発生が呼吸空気質に及ぼす影響が無視できない。そこで、着衣に限らず人体が身につけたりあるいは常時携帯したりする物からの汚染質発生の拡散挙動を検討した。さらにポンピングにより生じる入体周辺での微弱風の影響を考慮し、周辺環境風速をパラメータとして人体の呼吸空気質と皮膚温変化を検討した。 まず対象空間に人体がなく、自由空間あるいは平板上からの汚染質拡散がある場合の結果では、汚染質濃度は発生源直近で高く、風下ほど低濃度であった。発生源の向きを変えることによって特に発生源直近での濃度は大きく変化し、発生源特性の影響は無視できないことがわかった。さらに人体の影響を考慮した場合、人体周辺に生じる上昇流の影響が大きく、呼吸空気質を左右することがわかった。ポンピングに伴って気流が発生すると考えられるが、周辺風速が大きいほど汚染質は人体から離れて拡散していった。着衣がある場合、人体の皮膚温は微風速ではさほど変化せず、大きな影響は見られなかった。
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Research Products
(2 results)