2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J09555
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
寺本 篤史 名古屋大学, 環境学研究科, DC1
|
Keywords | 超高強度コンクリート / 自己収縮ひずみ / 線膨脹係数 / ひび割れ / 膨張材 / 収縮低減剤 |
Research Abstract |
当初の研究計画では,「超高強度コンクリートの高耐久性の検証」として,自己収縮によりひび割れが生じた超高強度RC部材の中性化・鉄筋腐食性状についてとりまとめる予定であったが,実際には,鉄筋周囲にひび割れが生じた超高強度RC部材の構造性能として,コンクリート-鉄筋界面の付着性状の材齢変化について研究を行った。 実大の超高強度RC部材を用いた実験によって,超高強度RC部材にはコンクリートの硬化過程において自己収縮応力が蓄積され,鉄筋周囲にひび割れが発生するということが確認された。以上の実験的事実を踏まえ,鉄筋周囲のひび割れについては,コンクリート-鉄筋界面の付着性状を著しく悪化させる可能性が考えられたため,同一強度で自己収縮量の異なる2種類の超高強度コンクリートを作製し,鉄筋周囲の収縮応力またはひび割れ性状が異なる超高強度RC部材において,コンクリート-鉄筋界面の付着性状の確認を行った。その結果,超高強度コンクリートに生じる自己収縮によって,超高強度RC部材の定着が十分でない区間にはすべりが生じることがわかり,両引き試験に供する以前の状態が,自己収縮量の大小によって決定される可能性が示された。また,自己収縮を低減することでわずかながら付着剛性が増大し,結果としてRC部材全体の剛性が上昇する可能性があることが示唆された。また,鉄筋周囲のひび割れについては,膨張材,収縮低減剤,断熱保温養生といった対策を施すことにより大きな改善がみられることもまた実験的に確認した。
|
Research Products
(7 results)