2009 Fiscal Year Annual Research Report
局所領域の分光測定を用いたマントル由来物質の深さ起源の探求と新規材料の評価
Project/Area Number |
09J09595
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小竹 翔子 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ダイヤモンド / 顕微ラマン分光法 / 地球深部物質 / レーザ加工 / ナノ多結晶ダイヤモンド |
Research Abstract |
(1)天然ダイヤモンドの深さ起源推定法の確立 天然ダイヤモンド中にとりこまれた包有物の周辺を顕微ラマンマッピング装置で3次元的に測定し、包有物周辺の応力分布を可視化した。試料には、ロシア、カナダ、ブラジル産のダイヤモンドを用いた。すべての試料について、包有物周辺の応力分布の可視化に成功した.ロシア産のダイヤモンドに関する結果をRussian Geology and Geophysics誌に報告した。加えて、天然ダイヤモンドが生成した環境の酸化還元状態を推定する研究を行った。試料には、ダイヤモンドに包有物として取り込まれていた、天然下部マントル鉱物のフェロペリクレースを用いた。フェロペリクレース中のクロムの価数が,下部マントルの酸化還元状態の指標となると考え、クロムの価数をKEKで測定した。その結果、下部マントルが還元的な環境であると推定した。これは、天然フェロペリクレース中のクロムの価数を測定した初めての例である。この結果を、19th Annual V.M.Goldschmidt Conferenceで報告した。さらに、同じ試料中に含まれる主要元素である鉄の価数を調べるため、ドイツのバイロイト大学に短期間滞在し測定を行った。 (2)ナノ多結晶ダイヤモンド(NPD)の物性評価 NPDの光学特性を調べるため、顕微鏡下で液体窒素温度でのNPDのフォトルミネッセンス測定を行った。また、NPDのレーザ加工特性を調べるため、透過電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、顕微ラマン分光張を用いて、レーザ加工したNPDの微細構造を調べた。その結果を、Diamond and Related Materials誌と、Applied Physics A誌に報告した。
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Research Products
(5 results)