2010 Fiscal Year Annual Research Report
硬X線偏光観測の実現で切り拓くブラックホール近傍部の探査と解明
Project/Area Number |
09J09603
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
勝田 隼一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 偏光X線 / コンプトンカメラ / 粒子加速 / フェルミ衛星 |
Research Abstract |
1,ブラックホールから放射されるジェットは、フェルミの一次加速機構によって加速されると考えられている。このような高エネルギー天体で起こる粒子加速の研究を行うため、宇宙線加速源の候補である超新星残骸(SNR)の研究を行った。フェルミ・ガンマ線天文衛星の観測データを用いて、加速粒子からのガンマ線放射の放射起源を探った。放射起源の特定によって初めて、粒子の加速機構の解明を詳細に研究することが可能になる。私は米国のSLAC国立加速器センターとの共同研究で、GeVガンマ線領域で明るく輝くSNR W49B,S147,HB21の解析を行った。W49Bは、これまで観測されてきたTeVガンマ線領域で明るい若年のSNRと、GeVガンマ線で明るい中年のSNRの進化過程の中間にある(~2000年)のSNRである。解析によってW49Bは、これまで観測された中でGeV領域で最も明るく、かつSNRに存在する陽子エネルギー密度も非常に高いことがわかった。この解析によって、様々な年齢のSNRからのガンマ線放射を統一的に理解する上で、W49Bが重要な天体であることを明らかにした。この研究成果を論文責任著者として、AstroPhysial Journalに論文として発表した。また、非常に大きな視直径を持つSNR S147に関しても解析を進め、可視光領域とガンマ線領域で空間的な相関の示唆を得ることができた。この解析結果は現在まとめられており、私が責任著者として論文投稿の準備を進めている。 2,大型放射光施設SPring-8において実施した、Si/CdTe半導体コンプトンカメラの偏光測定実験の論文がNIM-A誌に掲載された。この実験によって、コンプトンカメラが軟ガンマ線領域において非常に高精度の偏光測定能力を持つことを実証した。
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Research Products
(2 results)