Research Abstract |
本研究は,屋内外環境での自由な行動の実現を目指すパーソナルモビリティロボットプラットホームの研究の一環として行われている. 第一に,屋内環境で安全にパーソナルモビリティが行動できるようにするため,水平に設置されたレーザレンジファインダ(LRF)を用い,静止障害物(壁など)と移動障害物(歩行者)の存在する環境において,自律移動機能を実現した.パーソナルモビリティは,内蔵する計算機を用いてリアルタイムで自己位置推定,障害物位置認識,歩行者の位置および速度ベクトル推定,経路計画を行う.完成したシステムは,200[ms]間隔で地図をアップデートし,人間の位置・速度ベクトルを認識できるため,それらと衝突することなくゴール地点まで到達することが可能となった. 第二に,屋外環境での安全な自律移動に向けて,3次元形状認識システムを構築した.本システムは,パーソナルモビリティに上下に揺動するLRFを取り付け,10[ms]ごとにデータの取得と3次元復元を行うことで,パーソナルモビリティが移動中であっても高精度の形状認識が可能となった.本システムは,パーソナルモビリティ前方の約12x12[m]の範囲において,約80[mm]程度の小段差をロバストに認識することができる.このシステムを用い,パーソナルモビリティが危険な領域に進入しないように制御する操縦アシスト機能を実現した. さらに,取得した3次元環境形状から地面・障害物の領域の推定と移動物体の位置・速度ベクトル推定を組み合わせることで,パーソナルモビリティが辿っている道路の形状や向き,分岐点の位置を認識することや,通行した歩行者などの軌跡を取得することが可能となった.現在は,それを用い,屋外における大規模なトポロジカル・セマンティックマップを構築すること,それらのマップを用い,パーソナルモビリティによる安全な屋外ナビゲーションを実現することを目標としている.
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