2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヘマタイト粒子分散系のレオロジー特性と内部構造発現現象に関する理論と実験的研究
Project/Area Number |
09J09738
|
Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
作田 康裕 Akita Prefectural University, システム科学技術研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ヘマタイトコロイド / 磁性コロイド / 磁性粒子 / 凝集現象 / 外部磁場 / 相転移現象 / モンテカルロ法 / 分子シミュレーション |
Research Abstract |
本研究は,磁性を有する扁平ヘマタイト粒子を念頭に,磁性扁平粒子サスペンション系の内部構造発現現象の解明を目的とした.具体的には,高濃度サスペンションを対象に,熱力学的平衡状態における内部構造発現現象と相転移について,印加磁場と体積分率が系の内部構造の変化に及ぼす影響について擬2次元モンテカルロ・シミュレーションを用いて詳細に検討した.磁性扁平粒子モデルとして,界面活性剤で被覆されていない,粒子中心に磁気モーメントをする円形ディスク状粒子を用いた.また,印加磁場は2次元平面に対して垂直な方向に印加した.さらに,内部構造変化の定量的な評価を行うため,2体相関関数と配向2体相関関数を用いて詳細に検討を行った.得られた結果を要約すると,以下のとおりである。印加磁場の影響が粒子間磁気力の影響と同程度な場合では,粒子は顕著なコラム状クラスタを形成し,固体的特徴を有する内部構造となる.印加磁場の影響が支配的になると,顕著なコラム状クラスタは形成されず,レンガ壁状構造がわずかに生じる.さらに,印加磁場の影響が顕著になるとレンガ壁状構造が系の大部分に形成される.このレンガ壁状構造は磁気モーメントが磁場方向に固定されることによる粒子間の斥力に起因し形成される.印加磁場が顕著な状況で体積分率が小さい場合,系は等方的内部構造を示す.さらに,体積分率が上昇すると,系は等方的内部構造から相転移し,レンガ壁状構造が形成され,固体的特徴を有する内部構造となることが明らかになった.
|
Research Products
(3 results)