2011 Fiscal Year Annual Research Report
三次元インテグラルビデオグラフィ画像による膝関節手術の画像誘導システムの開発
Project/Area Number |
09J09746
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
TRAN HUYHOANG 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Integral Videography / 拡張現実 / ステレオビジョン / レジストレーション |
Research Abstract |
本研究では手術支援システムのための三次元Integral Videography(IV)立体画像の臨床応用化を目的とし、従来の画像における問題点及び手術現場に導入する時に生じる問題点の解決を目指す。 手術をよりスムーズに行えるために、三次元IV立体画像を用いた手術ナビゲーションシステムを構築する。また、AR(拡張現実)技術を生かし、手術部位及び関連情報の立体映像を直接患者の体に表示することで、より直感的な手術支援を提案する。 画像・患者間の位置合わせを行うために空間中に投影される三次元IV像の座標を計測する必要がある。実際の手術に使用するために、位置計測の作業を簡略化しなければならない。 IV像と患者の位置合わせを自動的に行うための要素技術およびシステム統合、また、臨床実験によりシステム全体としての評価を行った。 光学式マーカーを使用しない自動的な位置合わせは、ステレオカメラによる三次元位置測定法と解剖学的特徴点による認識・トラッキング法を開発することにより実現した。具体的には、ステレオカメラを用い、IV像の人工的な特徴点と患者の解剖学的な特徴点を認識し、IV像と患者の位置関係を算出した。 カメラのセンサーに撮影されるIV像は、マイクロレンズアレイの模様がそのまま残るため、従来の画像認識技術では特徴点抽出が不可能である。この問題を解決するために、独特のレンズ模様除去技術の開発し、同じARシーンの中にIV像と実物(患者)を同時に認識・トラッキングする手法を提案した。 本研究で開発するシステムの臨床応用として、口腔外科のための手術支援における応用開発を行った。具体的には、顎骨部の解剖学的な特徴点を利用し、骨表面の下に存在する血管・神経のIV像を正確な位置に表示することに成功した。 上記のシステムを評価するために、顎骨のモデルおよび実際の人間で様々な評価実験を行った。結果として、位置合わせ精度が1mm以下となり、臨床に応用するための十分な精度であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、医用三次元Integral Videography(IV)画像の高速作成により手術中のリアルタイム表示を行うことと、患者・画像の位置合わせ段階において、手術者への負担を軽減することであった。前者に関しては、従来のIVレンダリングアルゴリズムを改良し、GPUで実装することによりレンダリング速度が10倍以上改善された。また、位置合わせに関しては、従来の光学式マーカーの代わりに、患者の解剖学的な特徴点を利用することで、手術者へ負担を軽減しただけではなく、手術者による手動の作業がなく、画期的な位置合わせ方法を提案した。 以上により、本研究は当初の計画以上に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の今後の課題として、IV画像の作成アルゴリズムを更に最適化する必要がある。具体的には、超音波等のリアルタイムデータを表示するために、更に画像作成の高速化する必要はある。現在のプログラムは一つのGPUを使用しているが、マルチGPUを使用できるように構成の改善する必要がある。また、データの可視化する方法について、サーフェスデータが無い場合でも可視化出来るボリュームレンダリング手法と組み合わせる必要がある。 現在の患者・画像レジストレーションに関して、患者の特徴点認識・マッチングには数秒程度の時間がかかるため、手術中に患者の動きがある場合は高速かつ正確な追従アルゴリズムの開発は今後の課題の一つである。
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Research Products
(3 results)