2009 Fiscal Year Annual Research Report
RNA結合タンパクのノックダウンによる口腔がん治療のための基礎研究
Project/Area Number |
09J09771
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
格口 渉 Hokkaido University, 歯学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | HuR / AU-rich melement / anchorage-independent cell growth / cell-cycle related protein / knockdown |
Research Abstract |
研究目的である、「口腔がん細胞でHuRの発現をRNAi法でノックダウンし、その手法を口腔がんの治療に利用するための基礎的研究を行うこと」を実践するため、HuRをノックダウンした細胞の性質、特にがんに関わる形質を様々な角度から検討した。 HuRがノックダウンされた細胞の性質の検討 (1)ARE-mRNAの輸送・安定化の確認:HuRをノックダウンした細胞と、していない細胞を核と細胞質に分離し、細胞質のARE-mRNA(c-fos,c-myc,cox2)を定量性Real-time RT-PCR法で測定し、細胞質に局在しているARE-mRNAを比較した。HuRをノックダウンした細胞では、ARE-mRNAの細胞質の蓄積が低下していた。さらに口腔がん細胞では、口腔正常細胞に比べて、HuRノックダウン効率が良く、口腔がん治療に応用する際の有用なデータが得られた。これらの細胞のARE-mRNAの半減期を求め、その安定化を検討したところ、HuRをノックダウンした細胞ではARE-mRNAの安定化が阻害されていることがわかった。 (2)細胞増殖活性の検討:HuRをノックダウンしたがん細胞では、足場非依存性増殖能、細胞の移動度や浸潤度が抑制され、今後の口腔がん治療の応用に有用であることが示された。 (3)細胞周期関連タンパクの検討:HuRをノックダウンしたがん細胞は、細胞周期関連タンパクの発現量が低下しており、さらにCDK1 mRNAの安定化が阻害されていることが明らかになった。 これらの研究結果は、Molecular Cancer Researchに受理され現在印刷中である。
|
Research Products
(5 results)