2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J09775
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
古川 達也 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フッ素 / モノフルオロメチル / オスムンダラクトン / FBSM / FBDT |
Research Abstract |
2年目の計画はフルオロ閉環体の合成であったが,まだ開環体の合成に至っていなかったため,初年度のフルオロ開環体の合成を続けることとした。初年度で得られたフッ素化されたOsmundalactoneを用いてNMOとOsO4の条件下でジヒドロキシル化を行ったところ,34%収率で,ジヒドロキシル化体を得た。また続くアセトンを用いたアセタール保護により保護体を75%で得ることに成功した。さらにカルボニル基を還元することで,37%収率にて目的のフッ素を有する当へと誘導することに成功した。一方,Osmundalactoneの合成において前年度はラセミ体での合成の後に,光学分割を行っていたため,次にOsmundalactoneの不斉合成を行うこととした。まず,アリルgem-ジアセテートに対してFBSMおよびFBDTのTsuji-Trost反応を検討することとした。種々検討を行った結果,FBSMを用いた場合では(R)-MeO-BIPHEPと炭酸セシウムを用いた場合に最も効果的で,最高96%eeにて目的のFBSM付加体を得ることに成功した。本反応は芳香族上に置換基を有するものや3置換オレフィンを有する者において高いエナンチオ選択性で目的物を得ることが可能である。またFBDTの場合では(R)-BINAPと炭酸カリウムを用いた場合が最も効果的で最高91%eeにて目的の付加体を得ることに成功した。FBDTの場合では基質一般性に欠け,再現性にも乏しいことが分かった。次に得られた付加体の脱スルホニル化反応について検討を行なった。FBSM付加体を用いた場合ではアセチル保護体を脱保護するとアルデヒドに逆反応が進行するため,保護体を用いて脱スルホニル化反応を行ったところ,低収率ではあるが選択性の低下なく,モノフルオロメチルアルコールへと変換することに成功した。またFBDTの場合では,先の研究からアセチルの脱保護体が安定であるため脱保護体を用いて脱スルホニル化反応を行ったところ,良好な収率にて選択性の低下なくモノフルオロメチルアルコールへと変換することに成功した。
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Research Products
(7 results)