2010 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリ脊髄accessory lobe内のニューロンにおける機能的検討
Project/Area Number |
09J09789
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山中 祐子 山口大学, 大学院・連合獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ニワトリ / 神経細胞 / accessory lobe |
Research Abstract |
鶏Accessory Lobeのニューロン(以下ALニューロン)におけるグルタミン酸誘発性活動電位が、どのタイプのグルタミン酸受容体を介して引き起こされているのかを検討した。グルタミン酸誘発性活動電位と代謝向性グルタミン酸受容体との関連を検討するため、グループI代謝向性グルタミン酸受容体アゴニストであるDHPG(100μM)をオンセルモードでグルタミン酸誘発性活動電位を示すALニューロンに作用させた。しかしDHPGは活動電位を誘発しなかった。高濃度のNMDA型グルタミン酸受容体アンタゴニストのMK801(100μM)とnon-NMDA型グルタミン酸受容体アンタゴニストのCNQX(100μM)をグルタミン酸誘発性活動電位を示すALニューロンに作用させたところ、CNQXはグルタミン酸(100μM)による活動電位の誘発を抑制し、頻度を減少させた。しかし、MK801は活動電位に影響を与えなかった。またホールセルモードの電位固定下でALニューロンにグルタミン酸を作用させたところ、内向き電流が観察された。この内向き電流もまたCNQXによって抑制されMK801によっては抑制されなかった。更にNMDA型グルタミン酸受容体アゴニストのNMDA(100μM)とnon-NMDA型グルタミン酸受容体のうちAMPA型受容体アゴニストのAMPA(100μM)、カイニン酸型受容体アゴニストのカイニン酸(100μM)を作用させたところ、カイニン酸のみがグルタミン酸と同様にオンセルモードで活動電位を、ホールセルモードで内向き電流を発生させた。このことから、グルタミン酸は主にカイニン酸型グルタミン酸受容体を介して活動電位を引き起こしていることが示唆された。 以上の成績から、ALニューロンにはグルタミン酸またはグルタミン酸様物質を介した興奮性調節機構が存在することが細胞生理学的に示された。これはAL内でグルタミン酸またはグルタミン酸様物質が感覚情報の修飾を行っている可能性を示唆するものである。
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