2011 Fiscal Year Annual Research Report
ニワトリ脊髄acessory lobe内のニューロンにおける機能的検討
Project/Area Number |
09J09789
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
山中 祐子 山口大学, 大学院・連合獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | 鳥類 / ALニューロン / GABA / グラミシジン |
Research Abstract |
オンセル条件下でGABA_A受容体アンタゴニストであるbicuculline(50pM)とGABA_B受容体アンタゴニストであるCGP35348(100μM)を鶏Accessory Lobeのニューロン(以下ALニューロン)に作用させ、自発性活動電位を抑制するGABAの効果がどのように変化するのかを観察した。GABAの抑制作用は、bicucullineにより阻害され、CGP35348では阻害されなかった。更に、ホールセル条件下でALニューロンにGABAを適用したところGABA誘発性電流が観察された。GABA_A受容体アゴニストであるmscimol(100pM)適用時にも同様の電流が見られたが、GABA_B受容体アゴニストであるSKF97541(100μM)適用時には見られなかった。またGABA誘発性電流はbicucullineにより大きく阻害されたが、CGP35348ではほとんど阻害されなかった。このことからGABAの抑制効果は主にGABA_A受容体を介したGABA誘発性電流により引き起こされていることが示唆された。GABA誘発性電流は負の保持電位の増大に伴って大きくなり、ランプパルスを使って求めた反転電位は、計算上のCl^-の反転電位(-6.1mV)と近い値である-1.3±3.0mV(n=6)であった。このことからGABA誘発性電流は主にCl^-によって構成されていることが示唆された。更にグラミシジン穿孔パッチクランプ法を用いてALニューロンにおけるGABA誘発性電流の反転電位を求めたところ約-60mVであった。この値から生理的な細胞内Cl^-濃度は約16酬であることが明らかになった。この濃度は哺乳類の成熟ニューロンと同程度であり、生理的条件下ではGABAは過分極性の作用を持つと考えられた。 次に細胞内カルシウム濃度測定実験でALニューロン内に存在が示されているムスカリン型ACh受容体が、活動電位発生機構に対して作用を持つのかを検討した。オンセル条件下でglutamate誘発性活動電位を示すALニューロンにACh(100pM)を、ホールセル条件下でglutamateまたはGABA誘発性電流を示すALニューロンにAChを適用した。いずれの場合もALニューロンに電気的変化が見られなかったことから、AChは活動電位発生機構に影響を与えないと考えられた。
|
Research Products
(2 results)