2009 Fiscal Year Annual Research Report
トリフルオロメチル化剤の開発とタンパク質表面におけるシステイン残基の特異的反応
Project/Area Number |
09J09803
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
則竹 瞬 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | フッ素 / 不斉トリフルオロメチル化反応 / 求電子的 / 炭素-炭素結合形成 / 不斉第四級炭素 |
Research Abstract |
近年,含フッ素有機化合物が医農薬の分野で注目を集めており,中でもトリフルオロメチル基を有する有機化合物は重要なターゲット分子である。しかし直接的なトリフルオロメチル化法の報告例は少なく実用的な方法には程遠い。トリフルオロメチル化反応は求核的反応と求電子的反応に大別できる。当研究室では求核的トリフルオロメチル化反応は(トリメチルシリル)トリフルオロメタン(Ruppert-Prakash試薬)を用いたケトンやアゾメチンイミンに対する高エナンチオ選択的な求核的トリフルオロメチル化反応を報告している。一方で求電子的不斉トリフルオロメチル化反応はほとんど研究がなされていない。検討の結果梅本試薬とキラル塩基を用いることで,β-ケトエステルに対して不斉求電子的トリフルオロメチル化反応を達成することができた。つまり基質に1-インダノン骨格のメチルエステルを選び,塩基としてキラルグアニジンを用い,種々条件検討を行ったところハロゲン系の溶媒を用いたときにエナンチオ選択性が発現することがわかった。さらに反応温度に関しては低温の方がエナンチオマー過剰率が高く,塩化メチレン/クロロホルム=1/1溶媒中,-80℃にて反応を行うことにより70%eeで目的のトリフルオロメチル化体を得ることに成功した。
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Research Products
(11 results)