2009 Fiscal Year Annual Research Report
作物の耐湿性強化に寄与する根の酸素通気システムの分子機構の解明
Project/Area Number |
09J09809
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩野 克宏 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | マイクロアレイ / ストレス応答 |
Research Abstract |
我が国の食料自給率を増やすためには、水田からの転換畑で深刻な問題となっている畑作物の耐湿性を向上が重要である。しかし、植物の耐湿性のメカニズムには未解明な部分が多く、その方策立案が難しいのが現状である。本研究課題では、植物の耐湿性に深く関与しているRadial Oxygen Loss(ROL)バリアの誘導や形成に関わる遺伝子をイネから単離する。さらに、変異体・組換え体の機能解析を行うことにより、ROLバリアによる根の酸素通気システムの制御機構を明らかにする。加えて、耐湿性の低い畑作物とイネで明らかにしたROLバリア形成メカニズムの比較解析により、コムギとオオムギの耐湿性が低い原因を探る。これらを通じ畑作物の耐湿性強化に有効な方策立案を目指している。 当該年度は当初の計画通り、イネのROLバリア形成時に形成部位で特異的に発現量が増える68個の遺伝子を同定した。さらに、これらの遺伝子のノックダウン系統と過剰発現系統を作出した。加えて、該当遺伝子のTos17やT-DNA挿入により作出された遺伝子破壊系統、γ線照射による突然変異体集団および遺伝子既知の変異体を用いて、ROLバリアの多量検定法によるROLバリアの形成できないイネを探索した。その結果、今年度、目的としていたROLバリア形成能力に異常があるイネを数系統得ることに成功した。
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Research Products
(6 results)