2011 Fiscal Year Annual Research Report
MIMOメッシュネットワークの物理レイヤ構築に関する研究
Project/Area Number |
09J09811
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
水谷 圭一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MIMOメッシュネットワーク / マルチホップ中継ネットワーク / MIMOネットワーク符号 / TDD / TDMA / ソフトウェア無線 / ネットワーク同期 / 実証実験 |
Research Abstract |
複数の端末間に無線リンクを張ることにより,簡易に通信ネットワークを構築する技術である,マルチホップ中継(メッシュ)ネットワークが注目を集めており,センサネットワークなどへの応用が期待されている.しかしチャネル分割損によって伝送効率が低下する問題があった.そこで複数アンテナを用いたMIMO技術や,双方向フローパケットを合成多重送信するネットワーク符号技術を用いた双方向マルチホップ中継ネットワークが提案されている.しかし実際にハードウェアによって実験実証した例はなかった.本研究課題の目的は,MIMOネットワーク符号を用いた双方向マルチホップ中継ネットワークを,プロトタイプハードウェアに実装し,実電波を用いた実験結果によりその実現性と有効性を世界に先駆けて実証することである. 研究期間最終年度となる本年度は,これまでに実装したシステムを用いて屋内伝搬環境において再実験を行い,その実現性や有効性を示した。プロトタイプハードウェア構成およびシステム構成,ネットワーク同期のメカニズムなどの物理層設計指針を具現化し,測定および解析結果とともに電子情報通信学会英文論文誌にて発表した.加えてより柔軟なトポロジを実現するためのネットワーク同期手法を提案・実装し,実験によりその実現性および有効性を実証した.さらにネットワークスループットを向上させるために,多値変調技術および適応変調技術を双方向マルチホップ中継ネットワークへ導入し,屋内伝搬環境下における実験において2.3Mbps(3.83bps/Hz)という高いネットワークスループットを達成した. これらの成果により,今後のスマートなマルチホップ中継ネットワークの実現および発展に寄与できたと考えられる.
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Research Products
(7 results)