2009 Fiscal Year Annual Research Report
AlGaN系量子井戸構造における構造最適化モデルの構築
Project/Area Number |
09J09815
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
室谷 英彰 Yamaguchi University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | AlGaN / AlN / 反射スペクトル / フォトルミネセンス / 励起子 / 励起子ポラリトン / 局在励起子 |
Research Abstract |
AlGaN系混晶半導体においてフォトルミネッセンス(PL)測定、反射スペクトル測定によって励起子系光物性を評価した。まず、a面AlN薄膜において反射スペクトルの温度依存性を測定し、自由励起子の共鳴構造を室温においても明瞭に観測した。さらに、反射スペクトルを解析して励起子の縦型-横型分裂エネルギーを7.3meVと導出し、この値を用いて励起子の振動子強度を6.2×10^-3と見積もった。この値はGaNにおいて報告されている値(5.4×10^-4)よりも約1桁大きい。加えて、PLスペクトルの温度依存性を測定した結果、温度上昇に伴い励起子ポラリトンの上分枝からの発光が観測された。これは、温度上昇に伴う励起子ポラリトンの下分枝から上分枝への遷移を反映したものと考えられる。 次に、高Ga組成および高Al組成のAlGaN混晶薄膜においてPLスペクトルの温度依存性を測定し、励起子の局在エネルギーを導出し、局エネルギーと励起子発光線幅の関係を解析した。その結果、高Ga組成のAlGaNでは励起子の局在エネルギーが励起子発光線幅の1.7乗に比例して増大するのに対して、高Al組成のAlGaNでは1.2乗に比例して増大することを明らかにした。この結果は、高Al組成のAlGaNでは高Ga組成のAlGaNよりも励起子が強く局在化していることを示している。これは、高Al組成のAlGaNにおける励起子ボーア半径が高Ga組成のAlGaNよりも小さいことを反映したものと考えられる。
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Research Products
(5 results)