2009 Fiscal Year Annual Research Report
導電性ナノファイバーの超精密パターニング法の創成と有機量子デバイスへの展開
Project/Area Number |
09J09865
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
石井 佑弥 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | エレクトロスピニング / 静電紡糸 / ナノファイバー / 共役系高分子 / パターニング |
Research Abstract |
平成21年度は研究課題を達成するための基礎的な検討として、「エレクトロスピニング法で作製した共役系高分子サブミクロンファイバーの機械的延伸効果の解明に関する研究」を行った。この研究は本研究課題で期待される極細ファイバー内での特異な延伸効果を評価する上での比較対象として重要と考え遂行した。以下研究実施状況および研究成果を詳述する。 エレクトロスピニング法で作製した共役系高分子サブミクロンファイバーを延伸倍率を変化させて延伸し、電気伝導性を評価した。その結果、電気伝導性が延伸倍率の増加に伴い著しく向上することを明らかにした。この電気伝導性向上の理由を明確にするために偏光蛍光スペクトルによる評価を行った。その結果、サブミクロンファイバーの延伸に伴い内包する共役系高分子の配向性が向上し、加えて共役系高分子間の相互作用も同時に向上することが明らかになった。これらエレクトロスピニング法で作製したサブミクロンファイバーを延伸した場合に起こる特異な効果は、我々のグループが世界に先駆けて明らかにし、研究成果はMaterial Research Society 2009 Fall Meetingにおいて発表した。本研究で得られた成果から、極細ファイバーにより構成される高性能有機トランジスタ等への応用展開が期待されるとともに更なる高性能化への指針が示されたと考える。 平成21年度は積極的な学会発表(国内4件、海外1件)や論文発表(2件)を行った。ここで材料化学分野で権威のある国際学会のMRSにおいて口頭発表に採択されていることは研究レベルの高さを客観的に評価されたものと考えられる。さらにInternational Nanofiber Symposium 2009においてBest Poster Awardを受賞したことも研究レベルの高さを客観的に評価されたものと考える。
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