2010 Fiscal Year Annual Research Report
日本古代の彩色材料の歴史的変遷と呼称の変遷について
Project/Area Number |
09J09877
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Research Institution | Independent Administrative Institution National Institutes for Cultural Heritage Tokyo National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
國本 学史 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 企画情報部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 色彩 / 彩色 / 色材 / 彩色材料 / 顔料 / 染料 / 美学美術史 / 色彩文化 |
Research Abstract |
研究計画に基づき、平成22年度も継続して、様々な文献資料に残る彩色材料と色名について調査・研究を行った。昨年度の研究成果を元に、日本色彩学会第41回全国大会(於長良川国際会議場)において「日本の伝統的彩色材料と色名における相違の問題について」と題して口頭発表を行った。 また、特に紫色の歴史的展開については、昨年度日本色彩学会に於いて発表した内容を発展させ、「日本の紫色について-紫の彩色材料とその変遷-」と題して、東京工芸大学芸術学部紀要『芸術世界』第17号に論文を掲載した。 さらに、紫色の変遷については中近世の紫色の展開についても考察を加え、「紫色の複雑さについて」と題して、九州色彩ネットワーク「研究会in福岡2010」(於福岡工業大学)において発表した。当該の研究会ではニホンムラサキ栽培再現と紫色染色について、筑紫野市の生産者と意見交換を行うことができた。 また、奈良時代資料に見える彩色語彙について考察を加えた。データベース的な彩色関係語彙収集・公開の意義について「奈良時代史料に見える奈良時代史料にみえる彩色関係語彙データベース」と題して論文にまとめ、色彩学的な意義についても考察を加えた。 この成果を元に研究を続け、いわゆる「伝統的」な色名と、現在制作の場で用いられる材料が複雑に混同されている現状の改善を目指す。JIS慣用色名等の改訂も視野に入れた、研究成果の下地を形成した。 他には、「書の伝来と日本文化の形成-色と文化の変遷-」と題して、第62回中央区書道連盟書法展(於月島社会教育会館晴海分館アートはるみ)にて講演等を行った。
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Research Products
(4 results)