2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J09921
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
松木 洋平 Yokohama City University, 生命ナノシステム科学研究科, 特別研究員・PD
|
Keywords | ユビキチン / プロテオミクス |
Research Abstract |
MHCII、B7-2等の膜タンパク質のユビキチン化による制御機構は免疫システムにおいて重要であるが、このような制御機構は免疫システムに特化したものではない。事実、EGF等の増殖因子や、ケモカイン受容体、癌発生に密接に関連している膜タンパク質もユビキチン化による制御を受けている。しかし、膜タンパク質の機能制御を行うユビキチン鎖の特徴、その生合成の分子機構は全く明らかにされていない。そこで本研究では、in vivoにてユビキチン鎖の性状、またユビキチン鎖の形成過程における機能的細合分子を質量分析装置によって網羅的に解析する。これによって、ユビキチン鎖の合成過程の分子機構を明らかにし、免疫学を超えて幅広い分野へ新たな概念を打ち立てる事を目的とする。 平成21年度(初年度)においては、ユビキチン鎖を付加したMHCIIをプロテオミクスに適した純度で精製できる技術を探索した。その結果、ユビキチン抗体をアガロースビーズに付着させたFK-2ビーズを用いることで、ユビキチン鎖の付加したMHCIIを効率よく精製できることを見出した。さらに先駆者として困難が予想されたが、iTRAQラベルを用いたプロテオミクス解析技術を取り入れる事により、網羅的にMHCIIに付加したユビキチン鎖の性状を解析できるシステムを構築することができた。以上の方法によりサンプルを調整し、プロテオミクス解析を行ったところ、Kllリンクのユビキチン鎖の存在が見出された。現在このユビキチン鎖の存在を分子生物学的手法によって確認しているところである。このKllリンクのユビキチン鎖は世界的にも報告例のない、全く新規の性状を持ったユビキチン鎖であり、蛋白修飾の概念に新たな一石を投じるものであると考えられる。
|
Research Products
(3 results)