2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J09932
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
千葉 拓真 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 朝廷 / 藩 / 大名 / 公家 / 加賀藩 / 交際 / 朝幕藩関係 |
Research Abstract |
年度内を通じて加賀前田家を軸とし、研究計画に則って近世における幕府・朝廷・藩の相互関係に関する研究を、大名家と朝廷(公家)との関係分析を中心に進めた。修士論文および先年度から継続してきた加賀前田家を中心とした史料の調査・研究の成果を軸に、諸学会において口頭発表を行った。そして修士論文の一部に新たな史料を加え、加筆修正することで研究論文として発表した。 上述した口頭発表・論文執筆の準備作業と並行し、石川県内の資料所蔵機関を中心に、各地で研究資料の調査・収集も行い、将来の研究活動に耐えうるだけの史料と研究視角をえた。特に金沢市立玉川図書館や佐賀県立図書館などで藩の京都における活動や京都屋敷に関する史料の調査・分析を進めることができ、その成果を来年度中に研究論文として発表する予定である。 また今年度は前年度に引き続き、複数の大名家文書群の、各目録による予備調査を行ったことに加え、前述したように、可能な範囲で各所蔵機関における史料の調査・収集を実施することができた。また大名家に関する文書の他に、京都府立総合資料館では佐賀鍋島家の御用商人や上洛した藩士の記録、富山県立公文書館では朝廷(公家)に関わる寺院や町方の史料を収集することができ、これらの作業によって藩(大名)と朝廷(公家)との関係について新たな視点を加えることが可能になると考えている。これらの作業は加賀前田家を軸とした研究を補完・相対化していく上で重要な作業であり、順次目録における史料残存状況の把握を終え、各所蔵機関における調査を実施していく予定である。
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