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2011 Fiscal Year Annual Research Report

人間本性と教育との関係についての研究―トマージウスの思想を手がかりに―

Research Project

Project/Area Number 09J09937
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

田口 康大  東京大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC1)

Keywordsドイツ啓蒙主義 / クリスティアン・トマージウス / 折衷主義哲学 / 社交術 / 道徳哲学
Research Abstract

本研究の目的は、人間と社会との関係についての分析を経ながら、これまでの基礎教育理論を批判的に再構築することにある。その際の分析の中心となるのは、1.人間は欲望や情動といった自己の非理性的側面とどう関わっていけるか、2.人間は他者の感情とどう関われるか、3.道徳と感情との関係、これら三つの問題である。具体的には、公的生活と私的生活との関係、自己と他者との関係において人間がいかに振舞い、振舞ってきたかについての考察である。常に変遷する人間の振舞いと、自己や他者、社会の意味合いについての変化についての考察は、今日の人間観及びそこからよってくる教育観を批判的に相対化することを可能とするとともに、歴史の変化を踏まえたいかなる教育理論の構築に貢献することが可能であると考える。以上のような目的の元、本年度は「折衷主義哲学」の思想史的変遷についての研究を重点的に行った。日本に限らず、世界的にも折衷主義哲学は軽視されてきたが、今日の社会状況下で、プラグマティックな側面をもつ折衷主義哲学は評価しなおされ始めている。目の前にいる他者とのコミュニケーションから始まる思考の重要視、抽象的な概念に自分を適合させるのではなく、実際のコミュニケーションの経験から得られた自己の見解の暫定的な保持の重要視、そのような他者との実践と経験を重んじる理論は、過度の抽象的思考に囚われ、他者なきナルシズム的な人格の増加の一途をたどっている社会状況、およびそれを背景とした教育の営みを再考するうえで示唆を与えうると考えられる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 身振りのミメーシス的・表象的な性格2012

    • Author(s)
      田口康大・渡辺福太郎・河野桃子訳
    • Journal Title

      東京大学教育学研究科基礎教育学コース研究室紀要

      Volume: 第38号(掲載確定)

URL: 

Published: 2013-06-26  

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