2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09J09953
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
白 宇 Nagoya University, 環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | エラー関連電位 / 事象関連電位 / 確率学習 / 意思決定 / 随伴学習 / 強化学習 / 前部帯状皮質 / P300 |
Research Abstract |
本研究では、人間のエラー認知機能が強化学習の過程における役割を検討するために、確率学習課題という学習・意思決定を行った。この課題は、提示される二つの選択肢の中から一つを選び、その後選択した結果(正なら金銭的報酬を獲得できる。誤なら金銭的損失を被る)を知らせる。呈示した二つの選択肢において、それぞれ、70%、30%の報酬随伴率と設定した。すなわち、被験者が選択していくうちに、結果のフィードバックにより、報酬と選択肢の間にある随伴率を気づきをより自分に有利な行動をとる。その過程における、脳活動の変化と行動変化の関連を検討するのは確率学習実験である。従来の仮説によれば、エラー関連電位が報酬随伴率に敏感に反応し、その電位の振幅が学習中と学習完成後において異なるはずである。 また、その振幅の変動が学習の成立過程を反映すると仮定された。仮説と反し、今回の実験結果では、行動では、被験者が学習が成立したにも関わらず。エラー関連脳電位は学習の過程において、確率の変化を反映するではことをしめした。この結果が強化学習仮説に反する多数の先行研究とは整合した。さらに、エラー関連電位が短期間の随伴確率効果も反映しないことから、エラー関連脳電位が各試行における結果の評価を行うものであることが明らかになった。同時に、従来エラー関連脳電位が担うと論じられてきた長期的な報酬随伴率を反映するシステムが別に存在する可能性をしめし、そのシステムとエラー関連脳電位の関係で学習過程に重要な影響を与えると予想し、エラー関連脳電位の機能的意義について、新たな重要な証拠を提供した。
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Research Products
(2 results)