2009 Fiscal Year Annual Research Report
企業統治と資本市場―近代日本紡績業における経営者資本主義の自律と他律―
Project/Area Number |
09J09991
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
結城 武延 The University of Tokyo, 大学院・経済学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 日本経済史 / 日本経営史 / 企業統治 / 企業金融 / 契約理論 |
Research Abstract |
本研究員は、所と経営が分離しており、株主と経営者の利害が一致しているとはかぎらない近代企業において、いかにして長期的な成長を促す企業統治を形成するのかが、企業の長期的な成長の成否の要である、という分析視角の下、近代企業の発展について研究を進めてきた。企業が直接金融に依存し、かっその株式が市場において公開されている限り、市場を通じて実現される株価は当該企業の資本調達費用を直接に左右することから、資本市場および株主の動向は企業の意思決定に多大な影響を及ぼす。そのような状況下において、いかにして株主の利益に沿うように経営者の行動を制御するのかという問題について、契約理論を分析枠組にして、解明しようとしてきた。今年度は、企業統治における資本市場((1))、株主総会((2))、取締役会((3))の役割について、以下の論文によって明らかにしてきた。 (1)は、結城武延、「資本市場と企業統治-近代日本の綿紡績企業における成長戦略」、東京大学社会科学研究所ディスカッションペーパーシリーズ、J-171、2009年において、日本の近代化を支えた綿紡績企業の長期的な成長の要因について、資本市場が企業統治に果たした役割に着目して定量的に明らかにした。 (2)は、結城武延、「企業統治における株主総会の役割-大阪紡績会社の事例-」、東京大学社会科学研究所ディスカッションペーパーシリーズ、J-179、2009年によって、企業統治において株主総会が果たした役割について明らかにした。 (3)は、結城武延、「企業金融と企業統治-取締役会の機能-」、東京大学社会科学研究所ディスカッションペーパーシリーズ、J-185、2010年によって、20世紀初頭に株式会社制度を活用することで発展した綿紡績業において代表的な企業であった大阪紡績会社を事例として、企業金融と企業統治の関係について、とくに取締役会の機能に着目して、解明した。
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Research Products
(7 results)