2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規フォールディングRNA修飾酵素のRNA認識機構の解明
Project/Area Number |
09J10011
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
越智 杏奈 愛媛大学, 理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 核酸 / 酵素 / 生体分子 / ゲノム / 進化 |
Research Abstract |
平成22年度は、計画していた通り、トレフォイル・ノット型酵素であるtRNA (Gm18) methyltransferase [TrmH]のRNA認識機構の解明を中心に研究を行った。 (1)TrmHの基質tRNA認識メカニズムの解明 TrmHは、基質とするtRNAの種類によって、Type I型およびType II型酵素に分けられる。全てのtRNA種を基質とするType I型酵素および特定のtRNAのみをメチル化するType II型酵素はどのようにしてtRNAを選別しているのかを調べるために、Type I型酵素であるT. thermophilus TrmHおよびType II型酵素であるE. coli TrmHのキメラタンパク質を作製し、tRNAとの相互作用の解析を行った。その結果、今までtRNAの選別には大きく異なるC末端領域が関わっていると考えられていたが、C末端およびN末端を入れ替えても基質tRNAの特異性は変化せず、選別にはコア部分が関わっていることが示唆された。 (2)TrmHと基質tRNAにおけるpre-steady state kinetics また、統合バイオサイエンスセンターの桑島先生・真壁先生ご協力のもと、TrmHと基質tRNA結合におけるpre-steady state kineticsを行った。その結果、C末端はtRNAとの最初の結合にのみ関与していること、また、メチル化されたtRNAでもTrmHに認識されて結合するが(First Binding Process)、その後に続くStructual Change Processによって排除されてしまうことが判った。
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